慢性炎症は、老化や病気の原因であることが最近わかってきました。NHKガッテンでも、慢性炎症を防ぐことがセンテナリアン(健康に100歳以上の人)になるヒントだと放送されるようですね。
そこで、慢性炎症について、調べました。
結論からいうと、あらゆる病気は自覚症状のない慢性炎症が続いた結果だと言えそうです。
慢性炎症を予防して、若々しく、健康に長生きするためのヒントをご紹介します。
目次
・【慢性炎症が老化の原因】健康長寿の人は慢性炎症が少ない
慢性炎症とセンテナリアン(100歳以上生きる人 長寿)
最近、テレビや雑誌等で、センテナリアン(100歳以上の健康高齢者)では、慢性炎症が少ない!
ということが言われています。
慶応大学医学部 百寿総合研究センター 新井康通専任講師
によると、
慢性炎症が少ないと健康長寿でいられることが遺伝子レベルでわかってきているそうです。
参考文献:Yasumichi Arai et.al. 2015
最近、マウスによる研究で炎症が老化を早める要因であることがわかりました。
・慢性炎症(=老化)の程度を知るには、血液検査で「CRP」をチェック!
慢性炎症の度合いは血液検査で知ることができます。
血液検査の項目で
- CRP(C反応蛋白)
- IL-6(インターロイキン6)
- TNF-α(腫瘍壊死因子アルファ)
などをチェックすればいいです。
IL-6やTNF-αは、一般の血液検査ではないかもしれないので、CRPをチェックしましょう。
CRPは炎症や組織細胞が壊れると血液中に増えるタンパク質です。
CRPの数値は、
- 1.00以上→異常
- 0.31-0.99→要注意
- 0.30以下→基準範囲
で、判断します。
CRP(炎症の度合い)の数値は、一般では「0.30」くらいですが、
ある日本人のセンテナリアンでは、「0.03」
と、一般の1/10と、極めて低いんです。
CRPは、癌や細菌、ウイルス感染、炎症が起きていないかを調べるために検査されます。
- 「感染症」
- 「関節リウマチ」
- 「悪性腫瘍(がん)」
- 「外傷」
- 「心筋梗塞」
- 「胃炎」
- 「腸炎」
などがあると CRPの数値が上がります。
ポイントは、高感度CRPの検査をすること。慢性炎症は、CRP0.30以下の範囲で多いか少ないかを検査します。
高感度CRP検査なら、この小さい値での変化をチェックできるんです。
・慢性炎症が生活習慣病をはじめ多くの病気を引き起こす
慢性炎症が引き起こす病気は何でしょうか?
この答えは、あらゆるものと言えます。
慢性的な炎症は
- アレルギー
- 花粉症
- リウマチ
- アルツハイマー病
をはじめとする疾病の原因と考えられてきました。
他にも、
- 貧血
- 肌のトラブル
- むくみ
- 食後のだるさ
- 眠気を含む慢性的な疲労
- 便秘や下痢
などは慢性炎症の症状として知られています。
さらに
- 動脈硬化
- 糖尿病
- 肺疾患
- 心臓疾患
- 大腸がん
- 認知症
なども、慢性炎症が原因として起こることが最近の研究でわかってきました。
慢性炎症の症状例
- 気分の落ち込み、鬱状態、
- 胃が痛む感じ、
- 下痢やお腹の痛み、
- 便秘、
- グルテン不耐性と関連があるセリアック病、
- 腸管に穴が開くLGS(リーキーガットシンドローム、腸漏れ症候群)
- いつも疲れやすい
- だるさ
なども体内で炎症が発生している症状で知られます。
・慢性炎症の特徴
慢性炎症
自覚症状はない小さな炎症がからだのあちこちでゆっくりと進んで続いている状態。
急性炎症
外傷や感染によるものが多く、炎症の度合いと進みぐあいが1週間以内と早い状態。
例:やけど、紫外線、凍傷、ケガ、細菌やウィルス感染、重金属や有機溶剤による中毒、酸、アルカリなどによる腐食。
慢性炎症の原因
炎症は、普段の生活の何気ないことで起きていて、その原因は、
- ストレス
- 腸内環境
- 歯周疾患
- 食事
- 運動
- 不眠症
- ビタミンD欠乏
- 便秘
- 紫外線
などがあります。
慶応大学医学部の伊藤裕教授は、
生活習慣病につながる慢性炎症は、食べ物屋腸内で発生する有害物質などの毒素からはじまると言っています。
マウスに脂肪分60%の高脂肪食を与えると、大腸で慢性炎症が起こることがわかりました。大腸の慢性炎症がおきたマウスは、血糖値を下げるインスリンの効き目が悪くなることもわかったのです。
・慢性炎症の予防には、抗炎症作用をもつ食事と心の満足感が大事
センテナリアンが多い地域(地中海、沖縄、日本の地方)での食生活を調べてみると、
- 地中海食
- 野菜中心
- 発酵食品(納豆、ぬか漬け、みそ)
- 豚肉
今では常識となった腸内細菌が健康に与える影響を考えると、
日本人が地中海食を食べても健康長寿でいられるかはわからないようです。
日本人では、
やはり、
- 魚
- ひじき
- 味噌
- 野菜
- 豆
- 海藻
などのいわゆる和食中心がいいでしょう。
ボローニャ大学 クラウディオ・フランチェスキー名誉教授
「地中海食を厳密に守れば、心臓疾患、がん、認知症など、慢性炎症が関わる病気のリスクが低下します。同様に日本には日本食があります。世界で最もすばらしい食習慣を大切にしてください。」
と言っています。
心の満足感は、
- 毎日の幸せ感
- 人生の充実感
- 今の自分が好きか?
などを感じられるか、で考えます。
さらに心の満足感も、衣食住や性欲などの生きるための欲を満足させるものより、
人や社会に貢献することで得られる満足感が、慢性炎症を抑えることに結びつきます。
社会貢献の満足感があると、炎症を抑える遺伝子であるCTRA遺伝子が働きだします。
逆に、精神的ストレスは、炎症をすすめることがわかっています。
慢性炎症 を抑える食べ物や栄養素
- 魚
- オリーブオイル
- ナッツ
- 野菜
- オメガ3脂肪酸
- ポリフェノール
- リコピン
・慢性炎症を 引き起こす食べ物
- 過剰な塩分
- 過剰な糖分
- 過剰な飲酒
- 高脂肪食
な食べ物。
・慢性炎症の予防法
- 解毒力を高める亜鉛を多く取る。
- 歩いて糖や脂肪を消費する
- 紫外線対策をしっかりする
- 7時間程度の睡眠をしっかり取る
- 生きがいを見つけて精神的満足感を得る。
まとめ
いかがでしたか?
慢性炎症とは聞き慣れない言葉ですが、小さいもので、自覚症状がないけど、老化、病気を引き起こす大事なことですね。
抗炎症作用のある食べ物や腸内環境に良い食べ物、生活習慣で、見た目年齢、からだ年齢を若く保っていきたいですね。